Bill Evans Trio at the Village Vanguard,1961

ジャズを聴く人にはおなじみの Bill Evans Trio "Waltz for Debby" "Sunday At The Village Vanguard"の2枚。

先日(2015年3月)にプロデューサーの OrrinKeepnews 氏が亡くなったと聞き、少しだけこのライブとアルバムについて書きたいと思います。彼が元々のライブの曲順を現在のある形に整えてくれているからです。

 

これは大変よく考えられた曲順になっている、というのが率直な感想です。

また、編集に当たっても丁寧に周囲の雑音を活かして、うまく曲をつないでいます。

(OJCリマスター盤はこの編集をフェードアウトでやってしまったので雰囲気台無しです。個人的には好きになれません) 

 

"Sunday~"はレコーディング直後に交通事故で亡くなってしまったScottLaFaroの追悼としてベースのプレイを中心とした曲を集めて先に発売され、その後で"Waltz~"が発売になっている、ということもジャズファンであれば先刻ご承知のことと思います。

しかし、この「後から」発売された"Waltz~"は、3人のインタープレイ(掛け合いと反応)がすばらしく、まさしくジャズの歴史の中でもっとも人気があり、繰り返し聞かれ、愛されるアルバムとなりました。

 

私が上記の経緯を知ったのはずいぶん後になってからですが、それでこのアルバムの価値が変わるわけも無く、Keepnewsという人の見識とセンスの高さを知ることとなりました。

 

2005年、(もう10年前ですね・・・汗)このライブを録音したときのテープをそのまま3枚組みのCDにしたアルバムが発売されました。(日本では2002年に先行して限定発売)

元々、アルバムには周囲の客席の音や近くを走る地下鉄の騒音が含まれていて、結果的にその場の臨場感があるのですが、この3枚組、音が別格にすばらしいのです。今までのCDより圧倒的に、というぐらい、雰囲気がすばらしいのです。

あのライブを追体験できる、そのことは間違いありません。

曲順は、個人的にはKeepnewsの肩を持ちます。

Complete Village Vanguard Recordings 1961

Complete Village Vanguard Recordings 1961

 

 

ここから後は音に関する蛇足です。

 

AllAboutJazz様のHPでは、"The sound is exceptional and may prove to be the best results of the Fantasy 20-bit remastering efforts."となっていて、レコード会社(Fantasy)のリマスタリング技術を持ち上げていますが、果たしてそうでしょうか。

www.allaboutjazz.com

 

microgroove様のHPでは、推測と断りながら当時の2枚のアルバムは編集の際にテープダビングをしているはずで、そのためこの3枚組CDの元になった編集前のマスターテープは音の鮮度が高いのでは、ということが述べられています。

microgroove.jp

個人的にはこちらの方が説得力あるように思います。

だって、リマスターで直せるのなら、直して欲しいのが他にも・・・